読書日記No.83

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頂き物のカモミールティー。
久々に飲んでみたら
香りを嗅いだ瞬間に、甘酸っぱいような切ないような
ちょっと懐かしい気持ちがした。







こういうこと、ときどきあります。
香りを嗅いだ瞬間
その香りの記憶が蘇えって来るより早く
感情が先に反応するようなこと。


カモミールティは、ウッキー君が生まれてすぐの寒い冬に
良く飲んでいました。
あの頃のウッキー君のふわふわだったほっぺとか
ミルクの匂いとか
東北地方のどんよりとした冬の空だとか。
そんなものがいっぺんに蘇えって来たみたいです。

そんなふわふわほっぺの面影が1ミクロンもなくなったウッキー君は、
今日も私立大受験に出かけています。
カモミールティー『飲んでみるかい?』って香りを嗅がせたら、
『ウゲエエエエ~』って言いやがった。
ふん。まだまだ子どもだな。



ご無沙汰しておりました読書日記ですが
今回は一冊目から私が読んで面白いなと思った順に
並んでおります。
最初からそうしようと思ったわけではなく
なんだかイマイチだった本がたくさんあって、
つまらない本は感想を書くのも億劫なので
それを後回し後回しにしていったら
結果、面白い順になってました。





1冊目・・・小山田 咲子 著 『えいやっ!と飛び出す あの一瞬を愛してる』
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私はふだん本を読み終わったらさっさと図書館に返却に行くのですが
この本は返却日ギリギリまで返すことができませんでした。
何度も何度もくりかえし読んで、それでももう一度読みたくて。

この本はいわゆるブログ本です。
一人の女の子が早稲田大学入学と同時に上京し
一人暮らしをしながら、勉強し旅をし、恋をして
毎日をものすごいパワーで生きていく様子がつづられています。
物事を見る目が確かで、その考え方は揺ぎ無いのに
恋の話になってしまうと、それはもういじらしいくらいに普通の女の子で。
でも彼女は、旅先のアルゼンチンで同乗していた車が横転事故を起こし
24歳で亡くなってしまいました。
こんなに面白くて、気持ちが揺さぶられるブログがかつてあったなんて。
そしてこの著者の書く文章をもう二度と読むことができないなんて。
私はこんなに才能溢れる大学生を他に知りません。

今日返却ポストにこの本を返してしまったので、
やっぱり本屋さんに買いに行ってきます。
星五つでおすすめです。



2冊目・・・萩原 浩 作 『愛しの座敷わらし』
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なんとなくバラバラになりかけていた家族が
古い家に住みついていた座敷わらしのおかげで
家族の絆を取り戻す
・・・って、ひとことで言ったらこれだけのお話なのですが
ユーモアいっぱいの文章と可愛くてちょっとだけ怖い座敷わらしが
疲れたあなとの心を癒してくれること間違いなし!!
心があったまりますよ♪
読みやすい本なので中学生くらいからおすすめです。




3冊目・・・桜庭一樹 作 『赤朽葉家の伝説』
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むむむ。。。恐るべき桜庭一樹
いったいいくつ引き出しを持っているのでしょう。
この作者、読むたびにまったく違う世界を見せてくれます。
この本は骨太でとても読み応えがありました。
鳥取の少しだけ時代に取り残されたような村で
村一番の旧家である赤朽葉家の女三代にわたる
ちょっと不思議な物語です。
千里眼であるがゆえに、自分の子どもを産み落としたとたん
その子の不幸な一生が見えてしまった万葉。
その万葉の娘でなぜかヤンキーに成長してしまい
パラリラパラリラと夜毎バイクで暴走行為を繰り返した挙句
ある日突然少女漫画家になってしまう毛鞠。
さらにその娘で現代を生きるちょっと無気力でモラトリアムな瞳子。
人のすぐ隣に神話が息づいていたような昔から
神様の入り込む少しの隙間さえないくらい、
キリキリと日々を過ごす現代までの女達の姿を
一気に描き出しています。
ちょっと毛色の変わった本が読みたい方におススメです。





4冊目・・・益田 ミリ 『結婚しなくていいですか。~すーちゃんの明日』
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中身は4コマ漫画なのです。
30歳半ばで、夫も恋人もいないスーちゃんの日常が淡々と描かれています。
このまま一人老いて行くことへの不安や淋しさ、
結婚・出産していく友人と会ったあとに囚われる複雑な思い。
ややフライイング気味に結婚・出産を経験したワタシには
覚えのない感情のはずなのに
なぜかシンミリと心に沁みてきたのでした。
きっと中年と呼ばれる歳頃になって感じる漠然とした心細さって
結婚しててもしてなくても、子どもがいてもいなくても
どこか共通しているものなのかもしれませんね。
40歳になったって、不惑になんてなれない。
アタシだけかと思っていたけれど、みんなそれぞれ迷ったり
自分の気持ちをもてあましたりしてるんだなぁと、
ちょっとホッとしたりもしました。
漫画だと侮ることなかれ、とってもいい本です。
おススメ。





5冊目・・・角田光代 作 『三月の招待状』
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大学時代に仲の良かった友人から
ある日『離婚パーティー』の招待状が送られてきます。
そんな悪趣味な催しに嬉々として集まってきた昔の仲間たち。
男女共に30歳をとうに過ぎているはずなのに
全て自分を中心に回っていたような20代の日々から離れられずにいる彼らが味わう
現実との違和感や後悔が
ページを進むごとに色濃く浮かび上がってきます。
『盆踊りの輪の中心から、気がついたらはずれてしまっていて
人が楽しく踊っているのをぼんやり見ているような疎外感』を感じる主人公。
30歳くらいってちょうどそんな感じの年齢だったでしょうか(もう忘れちゃったわ)
大丈夫!40歳過ぎれば
盆踊りのにぎやかな音が聞こえてきても
家の中で『行くのめんどくさいなー』って思うようになるから(笑)
もうちょっと歳を重ねたら楽になるからね~、と
主人公たちにそっと耳打ちしてあげたくなりました。






6冊目・・・川上弘美 作 『風花』
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めまぐるしく変わる世の中から、
一歩も二歩も離れた場所で生きているような人たちを
川上さんはよく主人公に据えます。
ゆるりゆるりと、またはゆらゆらと漂うような文章を読んでいると
いつも主人公が自分に乗り移ったかのように
ワタシの頭の中までがゆらゆらとしてくるのです。
この物語の主人公”のゆり”は
自分の人生を自分で切り開く情熱も勇気もなく
怖々と世の中を生きている33歳の女性。
浮気をした旦那に
怒ることも三行半をつきつけることもできずに
イジイジと日々を送っています。
普通だったらイラッとしてしまいそうな“のゆり”の日々も
『これもアリかな?』と、思わせてしまう。
これぞ、川上マジック。





7冊目・・・長岡弘樹 作 『傍聞き』
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第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。
だそうです。

読みやすくて胸にジ~ンと来る(らしい)短編が4つ収められています。
割と簡単に結末が読めてしまったり
どこかで読んだことのあるようなデジャブ感が漂ったりもしていますが
読みやすくて、良い本(なんだそうです)

なんかねー、いい話なんだろうけど
色々物足りないんですよね。
結末がみな一様にきれいにまとめられてしまっていて。
でも評判はいいそうなので
興味のある方は是非。




6冊目・・・五十嵐 貴久 作 『誘拐』
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これはもう。。。。
つまんなかったとしか言えない。
完全犯罪を目指し綿密な計画を立て指紋ひとつ残さずに
誘拐を実行したはずの犯人が
宅急便の送り状に自分の住所と実名書くか?!
最後に『あっ!そうだったのか』となるはずだったポイントも
かなり最初から読めてしまうし、
けっこう使い古されている手でもあるし。
ただ一つ、株価を操作するという身代金の受け取り方法は
『座布団二枚!』だったけれど。
せめて登場人物の誰か一人でも、細やかで共感できるような心理描写をしてくれていたら
もうちょっと楽しめたかもしれないのに。
残念。
Commented by カビゴンパパ at 2009-02-03 22:09 x
え~、誠に申し訳ありません。
上記書籍の中では一番不評の「誘拐」しか読んでおりません。
Commented by nyanko4116 at 2009-02-04 17:56
>カビゴンパパさま
あら~。ごめんなさいね。
『何か面白い本ある?』って聞かれたから
「誘拐」をお渡ししたのですが、
実はワタクシもまだあの時は読んでなかったの。
でも評判はよかったのよ!ホントに。
それにしてもビミョ~な本だったわね。。。
Commented by のんのんママ at 2009-02-04 23:17 x
あちゃーー!「誘拐」ダメだったんだーーーー!
私・・・・今、図書館にリクエストしてしまってる・・・
そう!コレすごく前評判よかったよねー。
う~~ん、残念だよ~~(泣)

今は同じ五十嵐貴久さんの「交渉人」を読んでます。
まだ半分も読んでないんだけど、おもしろそうはおもしろそうだけど
ちょっと説明とかウンチクが多い・・かな?
Commented by nyanko4116 at 2009-02-05 18:01
>のんのんママさま
五十嵐さん、ストーリー立ては面白いんですよね。
そのストーリーの面白さをどうやって読ませるか
と言うのが小説家の腕の見せ所だと思うんですが、
うむむ。。。是非届いたら読んでみて下さい。
評判はいい本なので、もしかしたらものすごく面白い本なのかも。
『交渉人』はなかなか面白かったのにねぇ・・・
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by nyanko4116 | 2009-02-03 17:18 | 読書日記 | Comments(4)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ
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