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読書日記No.87

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好きな花を好きなだけ買うはずだったのに
レジに差し出した花は、たったの五本だけだった・・・







このたび我が家にも定額給付金がめでたく振り込まれました。
で、前から一度やってみたかった
『花屋で好きな花を好きなだけ 計画』を実行してみることにしたわけです。
(こういう時でもないとなかなかできませんからね)

お気に入りの花屋の店内を隅から隅まで物色し、
慎重に一本ずつ選ぶ幸せ♪
しかし5本目まで選んだところで、私の中の何かがブレーキを・・・

『スト~ップ、そこまでじゃ!』

脳内に響いた声は、きっと家計の神様の声だったのでしょう。
この花の代金、1.350円也。
さて、残りの定額給付金 何に使いましょうかね。



では、本日の読書日記です。
1冊目・・・万城目 学 作 『プリンセス・トヨトミ』
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『鴨川ホルモー』で魅惑の京都を、『鹿男あをによし』では奈良を舞台に
奇想天外且つハートフルな物語を作り出してきた万城目さん。
今度の舞台はいよいよ大阪です。
今回はなんと、大阪城の地下に国会議事堂が登場します!
それどころか大阪の町は実は『#$%&’(”¥@・・・』だったのです!(ネタばれ厳禁)
関東育ちのワタシにとって大阪は異国。
でもこの本を読むと、大阪と言う街の優しさや懐の深さがド~ンと伝わってきます。
万城目さん、次の舞台は兵庫?それとも滋賀あたりでしょうか。
もうこうなったら関西地方だけでなく
全国の都道府県を題材に、ご当地作家として北海道から沖縄まで網羅してもらいたいものです。






2冊目・・・田村 研一 作  『ホームレス大学生』
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大ヒットし映画化までされた
ご存知 麒麟・田村の『ホームレス中学生』、
そのアナーザーストーリーとして当時大学生だった兄が書いた、ホームレス体験記です。
・・・なのですが、アナーザーストーリーになっていません。
母の病気と死、父の失業・借金と家族の『解散』までの話は
『ホームレス中学生』とほぼ一緒。
前半はまるでホームレス中学生の復習をしているようでした。
面白くなるのは後半に入ってから。
父代わりの家長として妹弟の面倒を見るために
自己を犠牲にしてきた兄がその心を正直に吐露しています。
教育大学を卒業しながらも教師になれず
本気でお笑い芸人になりたかったけれどなれなかった兄。
その夢は妹が幼稚園の先生となり、
弟が人気お笑い芸人になり、二人が代わりに叶えてくれたのだけれど
肝心の自分はパチンコ屋で働きながらなんとなく生きている。。。
妹弟の成功と幸せを心から喜びながらも、
嫉妬し、羨望し、無気力になってしまった兄の心が痛いです。
父の失踪で失ってしまった兄の夢、
これからでも遅くない、しっかりと取り戻してほしいものです。







3冊目・・・米澤 穂信 作 『儚い羊たちの祝宴』
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フ・フ・フ・・・面白いですよ、これ。
少々怖いですけどね(ニヤリ)
怖いと言っても、ホラー的な怖さではありません。
もっと思考的な怖さで、背中がゾクリと来るような感じです。
5つの短編なのですが、
そのどれもが上流階級といわれるお金持ちの人々が主人公のため
交わされる言葉遣いはとっても上品。
立ち居振る舞いも会話もパーフェクトなのに
やってることは『ゾクリ』なのです(フ・フ・フ・・・)
おすすめです(ニヤリ)







4冊目・・・湯本香樹実 作 酒井駒子 絵 『くまとやまねこ』 
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絵本の1ページ目、物語の始まりだというのに
あまりに悲しい絵と文章にいきなり出くわし
驚きでしばらく2ページ目に進むことができませんでした。

『ある朝、くまは ないていました。 なかよしのことりが、しんでしまったのです』

そんな一文から始まるお話。
この物語は『大切な人の死』がテーマです。

大人の心にずっしりと響く話ですが、
これを読んだ小さな子どもにはどんな風に響くのでしょう。
家に閉じこもり心に鍵をかけたくまさんを
再び春の空の下へ導き出したのは時の流れでした。
心が壊れてしまいそうなくらい辛いことでも
いつか人はそこから歩き出せるということが、
きっと小さな子どもにも、ちゃんと伝わってくれるはず。
子どもから大人までおススメの一冊です。






5冊目・・・石田 衣良 作 『シューカツ!』
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『シューカツ』=就職活動のこと。
高田馬場にある「鷲田(わしだ)大学」(爆)の3年生である主人公と
その仲間たちが体験する、汗と涙の就職活動奮闘記です。

毎日毎日派遣切りだ雇用不安だと
否応なしに飛び込んでくるニュースたち。
空前の大不況などといわれる中でシューカツをしなくてはならない学生たちの辛さは
想像するだけで胃が痛くなってしまいそうだ。

この物語の主人公たちも、それはそれはシンドイ中で企業の面接に挑んでいます。
だいたい企業の採用試験の合否なんて
お見合いみたいなものなのだから、
落ちたからって「馬が合わなかっただけ」のこと。
それでも不採用の通知がくれば、自分自身に「×」の烙印を押されたみたいで
ひどく落ち込む学生の気持ちもよーくわかる。
『この就職活動が成功するかどうかで、一生の仕事が決まるだけでなく
生活程度や付き合う人間や住む場所まで決まってしまう・・・』
そんな風に考えて望む試験は、もはや恐怖でしかないだろう。

がんばれ!シューカツ中の学生諸君。
街でリクルートスーツ姿の学生さんたちをみかけるたびに
心の中でいっぱいエールを送っているからね。
(何の役にも立たないけどさ)





6冊目・・・白岩 玄 作 『空に唄う』
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白岩さんは、『野ブタ。をプロデュース』で一躍有名になった若手(25歳)作家さん。
あれから4年、待望の第2弾ということで
さっそく読んでみました。

感動できるらしい、シミジミくるらしい、泣けちゃったりもするらしい小説のはずが
心ひとつ揺れぬまま読み終わってしまいました。
う~ん、残念。
本の内容は、死んだはずの女性が
ゴーストになって生き返る。
でもその姿は、主人公(男・23歳・職業僧侶)にしか見えない
・・・というよくある話。
登場人物たちの言葉や行動、
小さな出来事が、意味ありげに登場しては
何のつながりもなくスルーされてしまい
物語が広がっていきません。
主人公の男の子が
いわゆる”草食系”なのはいいとしても、
心の中が自分のことでいっぱいになっちゃって
周りを思いやっているようで実は他人のことが見えていないのが
歯がゆくて仕方なかったわ。
若者に人気の作家さんだから
若い読者にはちゃんと伝わってるのかもしれないけど、
おばちゃんには主人公が何をしたくて何を考えているのか
さっぱり伝わってこなかったザマス。
残念。




7冊目・・・一色伸幸 作 『配達されたい私たち』
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うつ病を患う主人公が、自殺しようと立ち寄った廃墟で
配達されずに捨てられた7年前の手紙を見つけます。
何とか宛先を読み取ることができたのは7通だけ。
『自殺するのはこの7通の手紙を配達してからにしよう・・・』
そんな思いつきで、死へのカウントダウンの郵便配達が始まったのでした。

驚きました。
映画『私をスキーに連れてって』の脚本家として一躍有名になった一色さん、
うつ病を病んでらしたんですね。
あまりにリアルなうつ病患者の心理描写に
読むのがつらくなるほどでした。

7年前に配達されるはずだった手紙を受け取った人たちの
それにまつわるドラマはそれぞれ感動的。
だけど何よりも、
うつ病とは、かくも辛い病なのかと
改めて思わされる小説でした。
Commented by のんのんママ at 2009-06-03 23:21 x
ホームレス大学生、「どんなのだろ?」と思いながら
まだ読んでなかったです。
ホームレス中学生を読んだときに漠然と想ったお兄ちゃんの立場と気持ち・・
やっぱりいろんな葛藤があったのね・・・
私も3人きょうだいの長女。一番上。
みょ~な責任感と自己犠牲を感じてしまってることがあるの。
お兄ちゃん、この本の出版を機に前向きにがんばってほしいな。

そいでそいで!
そのティーバッグのケンちゃんて誰~~??
平井堅??
そんなの見たことないんだけど~~!うらやましいんだけど(笑)
最近リプトンのお紅茶、いろんなフレーバーティが出てるよね。


Commented by nyanko4116 at 2009-06-19 21:42
>のんのんママさま
先日は書きかけで、とっちらかった読書日記を公開してしまい
ご迷惑をおかけしましたm(_ _)m
いつも一冊読み終わると、
忘れないうちにとりあえずの感想を
書き留めておくのですが
それを非公開設定にするのを忘れて
投稿してしまったのでした。
フフフ・・・幻のあの写真
ご覧になった方は何人ぐらいいらっしゃるでしょうか。。。
ティーバッグの堅ちゃんは、コンサート会場でゲットした
もの。
だけど中身はフツーにリプトンティーバッグなのでした(笑)

みっちょさんも一番上のお姉さんなのね。
たった数年早く生まれたというだけで
色んなものを背負い込まなくてはいけなかった
お兄さんの気持ち、
みっちょさんだったらもっとリアルに感じることが
できるかもしれませんね。
『今度生まれ変わったら、お前が兄貴になってくれ・・・』と思わず弟に言ってしまったお兄さん。
なんだか切ないですよね。
Commented by rioryu at 2009-06-20 10:40 x
お花の優しい色合いにフリフリカーネーション♪
にゃんこさんらしいのだろうなぁと想像しつつ
写真でも癒されました^^ありがとうございます☆

今回はくまさんのお話に興味が。
身内の方が亡くなられて まだいろんな事から抜け出せないでいる
お友達にプレゼントしようかと思ったり。
自分にも当てはまる感じなので
読んでみてから考えようと思います^^

定額給付金は東京横浜旅行で消えました~(爆)
何に使ったんだろう???って感じです^^;アハハ。
Commented by nyanko4116 at 2009-06-20 20:15
>rioryuさま
私が子どもの頃に読んだ絵本には
リアルな死と悲しみを扱ったお話はなかったように思います。
一度死んでも王子様が出てきて生き返ったり
亡くなったあとは天国で幸せに暮らしたり。
それが悪いわけではないけれど
大切な人を失った悲しみや、
幸せな日々は永遠に続くわけではないことを
真っ直ぐに伝えた『くまとやまねこ』は
すごい絵本だと思います。
本屋さんでぜひ手にとって見てみてください。

定額給付金、今のところ
家族で焼肉食べ放題!!が有力候補となっています。
やっぱり定額給付金は、パ~ッと散財するのが
一番正しい使い方ですよね^^
Commented by のんのんママ@あらためて~ at 2009-06-21 23:50 x
あはは。私フライングしちゃったけど
これが本来のアップだったのね(笑)

定額給付金、うちは先日の鳥羽旅行に全部使っちゃいました~。
Yくんの分はいまだパパの口座に残ったまんま。
催促がないから、いらないのかしら?・・と、淡い期待をしてますが(笑)
まさか、そうはうまく行かないであろう・・・・
Commented by nyanko4116 at 2009-06-22 17:08
>のんのんママさま
あらためてのコメントありがとう(´▽`)/♪
催促がない=どうぞ使ってね♪ってことなのでは?(笑)
我が家では、
『税金払ってないんだから、給付金は親のもの』
・・・ということで決着ついております。

みっちょさんとこも旅行にお使いでしたか♪
我が家はまだ最終合意が取れていません。
生活費として自然消滅だけは避けたいものです。
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by nyanko4116 | 2009-06-19 21:43 | 読書日記 | Comments(6)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ