読書日記No.89

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楽しくて、のんびりできた軽井沢だったけれど
帰ってくると、やっぱり家が一番いいなぁって。。。






思ったのは私一人だったらしい。

帰ってくるなり、
『あ~ん、軽井沢がいいよぉ』
『来年はさ、夏中行ってようよー』 だってさ ( ̄ー ̄)

でも私以上に
家に帰ってきて大喜びだったワンコたちは
狭くったって、暑くったってやっぱり我が家のベッドが一番♪ って
思っているに違いない。
(おつかれさまでしたね^^)




では、読書日記でございます♪




1冊目・・・・角田 光代 作『くまちゃん』
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『くまちゃん』という可愛らしい題名と表紙の絵から、
「あら角田さん、今度は童話ですか?」とちょっとワクワクしながら読み始めたワタクシ。
一度本を開いたら途中でやめられない仕組みになっている(!)面白い本でした。
(残念ながら童話ではありませんでした)
最初のお話は主人公が女の子。
この女の子が付き合っていた男の子にふられてしまうのだけれど
次の話ではこの男の子が主人公になっていて、今度はこの男の子が
新しくできた彼女にふられてしまう。
そしてまた次の話ではこの男の子をふった女の子が主人公になって・・・
と、終わってみれば登場人物が全員誰かにふられています。

面白いのは、前の恋愛では自由奔放に振舞い
女の子を泣かせてばかりいた男の子が
次の恋愛では女の子に振り回されっぱなしの
情けな~い男に成り下がっていたり、
自立したシャキシャキした娘だった子が
一日中部屋で男の子をじ~っと待つような女に大変身したり。
相手に合わせて「別人か?」と思えるほど変われるっていうのも
恋愛の醍醐味であり弱味でもあるんでしょうね。

この本の中で、
『ふられるっていうのは、ただ単に相手にとって自分が必要でなくなっただけ』
と珠玉の名言を披露してくれた角田さん
そう、どんな恋愛でもきっと
そのときの自分に必要な人だったから好きになったのでしょう。
人間は成長したり変わったりするものだから
付き合っているうちに『もう必要なくなったから別れる』ってのは
アリだと思う。
(夫婦の場合そうはいかないけどね)
面白かったですよ♪






2冊目・・・伊坂 幸太郎 作 『ゴールデンスランバー』
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面白かったです!
500ページの大作ですが、中盤で物語の全貌が見えてきたあたりから
もう一気に読めちゃいます。
首相暗殺の容疑をかけられた主人公と、彼の存在を消してしまいたい警察とが
杜の都仙台を舞台に繰り広げる逃走劇です。
物語の隅々に散りばめられたさりげないエピソードが
結末に向けてすべて回収され関連付けられていく爽快感!
主人公と共に青春時代をすごした仲間が
『あいつがそんなことをするわけがない』という確信を抱いて、
遠くから近くから主人公に手を差し伸べます。
『人を信じることこそが最大の武器だ』という主人公が選んだ決着のつけ方とは?!
ぜひ読んでみてください。







3冊目・・・佐藤 愛子 作 『院長の恋』
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大正12年生まれの愛子さん。もう85歳(!)になられたそうです。
この世の酸いも甘いも、もしかしたらあの世のことまで
知り尽くした愛子さんの小説は、
人間の 愚かだけれども愛すべき姿をユーモラスに
ちょっぴりの毒を交えて書かれていました。
収録された5つのお話のうち
私が一番好きだったのが『沢村校長の晩年』というお話
定年退職し、妻にも先立たれ
これからは悠々自適、自分の思うように生きていこうとする沢村校長の元に
送り込まれてくる家政婦。
悪意のない人なれど鈍感で、
善意の名の下にズカズカと他人の領域に入り込んでくるこの家政婦と
沢村校長との静かなるバトルが面白い!
悪意を持った人にはいくらでも対処する方法があるけれど
善意の人にはなすすべがない。
鈍感であるということはもはや罪なのではないかと
大笑いしてしまった話の結末を読みながら、思ったのでした。





4冊目・・・山本 文緒 作 『アカペラ』
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直木賞受賞後からうつと戦っていた山本さん。
その復帰第一作になる小説です。
・ちょっと惚け始めたお祖父ちゃんと孫娘のお話
・イケメンが災いしてチャランポランな人生を送る男の子の話
・世間から取り残されてしまったようにひっそりと助け合って暮らす姉弟の話
登場人物がどこかみんな頼りなくて、世の中とうまく折り合いがつかないような人ばかり。
ちょっと前につんのめったら、自分の人生をあきらめてしまいそうな
でもそうならないように踏ん張って生きている主人公たちの日々が
巧みな文章で描かれています。
いままでの山本さんの作品とは一味違う
やさしく見守るような短編集でした。





5冊目・・・村上 春樹 作 『1Q84』
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この国で大ヒットする本と言えば、
大好きな人が死んで悲しい話とか、
芸能人が書いたちょっと可哀想だった頃の自分の話だとか
携帯小説と言われる会話文だけで成り立っているような小説だとか。
そんな国でなぜこの小説が100万部も売れるんだ?

村上春樹の小説を読むのはとても易しい。
難しい言葉も出てこなければ、頭がこんがらがる様な複雑な仕掛けもない。
作者の頭の中に浮かび上がっている世界を
素直な言葉に置き換えているから
スラスラと面白く読めてしまうのだ。

でも読み終わり『あ~面白かった』と本を閉じた後で
作者の書きたかったことが伝わったと感じることはできない。
本に書いてあることをツラツラと読んだだけで
作者の描いた世界を共有できるほどこの作者は親切な人ではない。

村上春樹を読むには、たぶんコツのようなものが少々必要なんだと思う。
そして私はそのコツがいまいちわからない。
この本に書かれた二つの世界
(今あるこの世界と、もしかしたらあったかもしれない世界)
のストーリーは面白く読めたけれど
それが直接的に何かしら私の中に訴えてくるということは
残念ながらなかったのでした。

村上春樹の本はあとから効いてくることも多いので
今はまだ未消化状態のものが
これから時間をかけて消化されるということもあるはず。
その頃にもう一度読んでみましょうかね。
実に手のかかる本ですな(笑)








6冊目・・・本村 洋 宮崎 哲弥 藤井誠二 著 『罪と罰』 
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「光市母子殺害事件」と聞いてピンと来ない方でも
18歳の少年が起こした殺人事件に、
20名を越す死刑廃止論者達の大弁護団が組まれ
『ドラえもんが何とかしてくれると思った』
『首にヒモを蝶々結びにしたら赤ちゃんが窒息してしまった』と
耳を疑うような証言を突然法廷で始めた出来事は
記憶に新しいのではないでしょうか。

この本は、被害者母子の夫であり父である本村さんと
二人のジャーナリストとの対談をまとめたものです。
事件が起きた10年前、本村さんは
氷ついてしまいそうなほど冷たい怒りをたぎらせながら
『死刑にならないなら、僕が殺します・・・』とマイクに向かい答えていました。

彼がどのような思いでこの10年を過ごし、
犯罪被害者という立場で何と戦ってきたのかが
読みやすくまとめられています。
裁判制度が始まった今、
犯罪被害者のこと、死刑制度の是非、
精神鑑定や未成年による殺人の責任能力についてなど
深く深く考えさせられることばかりです。

事件の後、本気で死のうとしたという本村さん、
この本の中で
『今は生きていてよかったと思う』と語る言葉を目にして
涙がこぼれました。

巻末に全文収録されている判決文は圧巻です。
ぜひ一度手にとってみてください。
Commented by ma-ko at 2009-08-22 01:39 x
大変ご無沙汰をしています
読書続けていらっしゃいますね。

先ほど(4~5時間前ですか)
にゃんこさんちの前を娘と散歩しながら
サ○イへ出かけました。
お元気そうで何よりです。
Commented by のんのんママ at 2009-08-22 23:11 x
にゃんこさんお帰りなさい~!

さて、読書日記♪
村上春樹さん、実は私もなかなか手ごわいお方です(笑)
前に「海辺のカフカ」を読みかけたんだけど、
途中で断念してしまいました・・・・
私が、この私が、活字中毒の私がー、途中で断念するなんて
いまだかつてなかったことよ~。
さすが村上春樹!(爆)
1Q84、本屋さんで次々売れていく様子をテレビで見てて
すごーく興味は持ってたんだけどね。
図書館でもかなりの予約が入ってるみたい。
チャレンジするべきか否か・・・迷うわ(笑)

つい先日、新保裕一さんの「アマルフィ」読みました!
映画は観てないんだけど、文字を追ってても織田裕二や天海優希が
走り回ってる妄想が・・・(爆)
なかなか楽しめました~!

そうそう、こないだテレビで新堂冬樹さん見たよ!!
かなり怖い風貌の方でした(笑)
貸し金やヤクザ屋さんの小説を書く人としては納得できたけど(笑)
「忘れ雪」とか、あんな優しい小説の方は納得がいかなかった~(爆)
やっぱ不思議な人だわ!
Commented by mini-jidji at 2009-08-24 01:38 x
『罪と罰』という本、
あるんですね。
本村さんという方は本当にすごい方だと思います。
この方が居たからこそ、
日本の法律が動いた。。。
この事件の行方は、
私も固唾を飲んで見守っていました。

にゃんこさん、この本の紹介をしてくれてありがとう。
本屋さんに走ります。
Commented by nyanko4116 at 2009-08-24 20:15
>ma-koさま
本当にご無沙汰しております。
どこかでばったり・・・なんてことがあってもよさそうなのにね^^
私は相変わらずの毎日です。
ma-koさん、お嬢さんと二人でウォーキングですか?
いいですねv(*^-^*)v
Commented by nyanko4116 at 2009-08-24 20:23
>のんのんママさま
私も見た!新堂冬樹!!!
『え゛~~~~っ』ってTVの前で一人大騒ぎしました。
あっち系の本のイメージにはぴったりなんだけど、
『あなたに逢えてよかった』のピンクのバラの表紙とか
思い出しちゃってね(笑)
ホント不思議だよね~。

『1Q84』・・・読まなくても別にこれからの人生に
支障はきたさないと思う。
ページをめくりながら二冊目の中盤以降は
まだ終わんないのか~って(笑)

「アマルフィ」面白そうですね。
私も予約いれよっと♪
Commented by nyanko4116 at 2009-08-24 20:30
>mini-jidjiさま
『罪と罰』、地味ですがかなりおすすめの本です。
弁護士にも支援者達にも頼ることなく
いつもたった一人、冷静で淀みない言葉で
記者会見の返答をしていた本村さん。
あの怜悧でひたむきな姿が、
日本の法律を動かしたのだと私も思います。
長い長い日本の裁判制度ですが
長くかかることで、被害者にとって
良い方向に世論が動いていくこともあるのだなぁと
感慨深かったです。
ぜひ読んでみてください。
Commented by rioryu at 2009-08-24 21:34
『罪と罰』・・・
本村さんの会見は本当に印象に残る言葉がたくさんあって
胸が痛く痛くなりました。
何かの特集で、本村さんがアメリカの死刑囚に会って話しをする番組があったと思うのですが
その時も本村さんの一言一句が深く重く考えさせられるものばかりでした。

明日、図書館に行くので
もしもあったら借りてみたいと思います。
Commented by nyanko4116 at 2009-08-25 00:51
>rioryuさま
その番組の話、本の中にも出てきました。
一貫して死刑を望んできた本村さんが、
仏様のような善人に生まれ変わった死刑囚に会い
死刑というものについて何を思ったかが語られていました。
とても重みのある言葉だったし、
私も深く共感する思いでした。

この本とてもいい本だと思うのですが
あまり需要はないようで、
図書館で予約を入れたらあっという間に届きました。
rioryuさんもぜひ読んでみてください。
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by nyanko4116 | 2009-08-21 16:13 | 読書日記 | Comments(8)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ
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