読書日記No.99

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靴下にスパッツ、ひざかけにカーデガンで完全装備し
ひとりアツアツのお茶を飲んでいる、
エアコンと戦う夏。






エアコンの室温設定は28℃にしているので
子どもたちにはまだまだ暑いのでしょうが、
私のこの重装備を見ると何も言えなくなるようで(笑)

お互いの歩み寄りにより、
なんとか我が家の『パレート最適』 は保たれています。


写真のお茶は『人参烏龍茶』
台湾の漢方飲料茶らしいのですが
飲むと身体が中からあったまってきて・・・って、
この時期の話題じゃないですね ( ̄▽ ̄)ゞアハハ・・・






では、読書日記です♪


1作目・・・森 浩美 作 『小さな理由』
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あとがきで作者は書いています
『四十にして惑わず・・・というけれど現実には四十過ぎからの人生の方が辛い』と。
まだ四十を数年過ぎたばかりの私が言うのもなんだけど、
きっと本当にそうなんだろうなぁと思う。
四十までの人生は、たとえ挫折や失敗があったとしても
人との出会いや知識など 色々なものをプラスしていく足し算の人生。
でもたぶんここからの人生は、
失ったり手放したりするものの方が これから得るものより多いんじゃなかろうか。
想像だけど。

でも四十を過ぎた頃から良くなってくることもたくさんあって、
人を許せるようになるのもその一つ。
若い頃は『あの人のここがイヤ』だの『あそこが許せない』だの
しょっちゅう人に対して腹を立てていたのに、
今は相当ムカつく人がいても、あんまり嫌いだと思わなくなってきた。

そんな風にだんだん色々なことを
許したり受け入れられるようになってくる中でも
人にはどんなに歳を重ねようが、
『これだけは譲れない』というものが一つや二つあったり、
『人は許せるけど、自分の過去だけは許せない』ということもあったりするようです。

この本に出てくる短編の主人公たちは、
そんなどうしても譲れない小さな理由や思いを心に抱え
過去の自分を後悔したり、失った時間を取り戻そうとしたりしながら
とても人間臭く前を向いて生きています。

離婚や伴侶の死、介護、リストラ・・・・などなど
反則気味に泣かせるツボが次々登場しますが
たまにはどうでしょう、ベタと知りつつそんな話に浸ってみては♪
そろそろ人生後半に突入という方におススメです。





2作目・・・東野 圭吾 作 『パラドックス13』
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最近の東野作品を読み終わったあと、
いつも妙な気分にさせられます。
面白かったかときかかれれば面白かったし、
それどころか途中でやめることができず
結構な長編でも一気に最後まで読んでしまうほど。
なのに読み終わってパタン!と本を閉じたとたんに
余韻も満足感もなにひとつ残っていないのです。

ある日突然目の前の風景から人間だけが消滅してしまい
地球の滅亡が始まる・・・というドキドキするストーリー。
なぜか消えずに地球に残された、数名の男女の謎や
生き残るための壮絶なサバイバルなど、
ページをめくる手が止まらない状態だったのにねぇ。

私が読みたいのはたぶん、
そこからもう一歩踏み込んだ先にあるもの。
人間の弱さや残酷さを描いたなら
心から共感できる悲しさを感じさせてほしいし
人の優しさや思いやりを描くなら
読み終わったあと少しでも幸せをかみしめられるような
余韻を残してほしい。
色々な気持ちを主人公たちと一緒に味わいたくて
小説を読んでいるのだから。

東野作品には期待値が高い分毎回辛口になってしまいますが、
面白かったかときかれれば面白いので(笑)
読んでみて下さい♪







3作目・・・吉田 修一 作 『横道世之助』
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『横道世之助』(よこみちよのすけ) というちょっと変わった名前の主人公。
この本の魅力 ≒ 世之助君の魅力と言っていいでしょう。

大学入学(早稲田を落ちて法政に入学) と同時に長崎から上京し
東京(・・・と言っても東久留米だけど)で一人暮らしを始める
一年間の物語。

特に秀才でもなく、スポーツができるわけでもハンサムなわけでもない世之助君。
どこがいいの?と聞かれてもとても説明できない不思議な魅力の持ち主です。

世之助君が過ごした80年代は、ちょうど私も学生だった時期
途中でところどころに挟まれる現在(20年後)の登場人物たちの短い物語が
何かと切ない気持にさせてくれます。
先に彼らの未来の姿を知ることで、
その後に待っているそれぞれの人生のことなど何も知らず
夢中で青春を謳歌している主人公たちが、読んでいてより愛おしくなってくるのです。

自分が40過ぎの中年(つまり今現在)になることなんて
想像もしていなかったあの頃の自分が
ページの間からチラチラと顔をのぞかせているようでした。
おススメです♪







4作目・・・中山 七里 『さよならドビュッシー』
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大金持ちのお嬢様が、次々と襲いかかってくる困難に負けず
健気に明るく頑張り
その傍らにはいつもお嬢様を温かく見守る素敵な男性が・・・。
その昔大好きだった『小公女』や 『あしながおじさん』を思わず思い出してしまうような
少女チックなお話かと思っていました。

・・・途中までは。

さらにそこに『名探偵コナン』的要素が加わり
『ガラスの仮面』のようなイジメまで登場し
物語はグングン面白くなっていきます。

大好きだった祖父と従姉妹とともに火事にあい
ひとりだけ助かった主人公。
瀕死の大やけどを負いながらも、ピアニストの夢をあきらめない彼女に
次々と災いが襲いかかり、そして。。。。
最後の数ページは圧巻です。

久しぶりに
『このミステリーがすごい』大賞から、面白い作品がでました♪
おすすめです。






5作目・・・北村 薫 作 『鷺と雪』
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第141回直木賞を受賞した作品。
今まで何度も候補に名前を連ねながら惜しくも受賞を逃し
満を持しての今回の受賞。
・・・にしては、なぜ今さらこの作品でだったのかちょっと不思議です。
三部作の最後の一冊、
今までと特に作風も内容も大きな違いはなく
いつも通り、華族のお嬢様である主人公が
お抱え女性運転手であるベッキーさんとともに
日常に潜む少しだけ不思議な出来事の謎を解いていくお話。
一つだけいつもと違うことがあるとしたら
やはり小説の終わり方の与える衝撃とその余韻でしょうか。

お嬢様が最後にかけた間違い電話のつながる先は
後の日本を大きく動かすことになる昭和の歴史上の出来事の舞台でした。
そこで史実と物語がリンクすることで、
この本の持つ色合いはググッと大きく変化します。
何はともあれ、北村先生
受賞おめでとうございました♪
Commented by カビゴンパパ at 2010-08-04 21:12 x
 再びカビです。昔「再びの・・・」という歌があったと記憶してますが・・・
 ところで今回紹介の本では1&2作目を既に読んでいます。
同世代の方にお薦めです。
1は短編ばかりでしたが齢50過ぎて感じるものがありました。
2は同意見で「一気に読める面白さ」はあるものの「読後考えさせられる」
のは??です。
Commented by nyanko4116 at 2010-08-05 22:10
>カビゴンパパさま
何?その歌、知らないわ┐( ̄ヘ ̄)┌

1で感じたところって、あれでしょ
奥さんが意識不明の寝たきりになって
やっとだんなさんが
旅行に連れてってあげればよかった~とか
銀座で美味しいもの食べさせてあげればよかった~とか
後悔するやつ( ̄∇ ̄)b

おかげさまで今のところワタクシ
意識もあるし重体でもないし。
ほ~ら、大事にするなら今がチャンスよ~( ̄ー☆キラリーン
Commented by のんのんママ at 2010-08-05 23:19 x
今夜、実家から帰ってきました。
さっそくコメント書いてます(笑)

「パラドックス13」 私、読んだっけかな??
東野圭吾さんの本は、すべて読んでるはずだけど、
これはタイトルに記憶はあるものの、読んだ覚えがないわ・・・
たしかに最近の東野さんの作品には、初期の頃にドキドキしながら読んだ
あの心の昂りが薄いような。
東野さん、大好きなんだけどなぁ。

「小さな理由」 気になります。
私、この年になっても、まだまだ成長が足りないわ・・・
許せないヤツがいっぱいいるわ(笑)
<失ったり手離したりするものの方が多いんじゃないか・・>
これ、わかるなあ。
今までは前へ前へと生きてきた気がするけど、
今は、人生を進む中で手元からこぼれおちてゆく物が
増えている気がしたり。
子供もその一つかな。
今までは一緒に手をつないで進んできたのに、
いつの頃からか手を離し、少しずつ歩幅も変わってきてる。
なんか寂しいけど、自分自身をしっかり見つめながら
生きていかねばっ。
久しぶりにまじめに考えてみた私でした(笑)
Commented by nyanko4116 at 2010-08-06 10:41
>のんのんママさま
まさにそんな感じ!
最近の東野さんの本、読み終わってしばらくたつと
本の内容どころか
読んだこと自体記憶になかったりします(笑)
『容疑者X・・・』系で発揮してくれた
推理の面白さ+心揺さぶられる物語がまた読みたいです。

腹の立つことがあっても
それが長続きしなくなってきたのは
明らかにエネルギー生産量が減って
脳内が省エネモードに突入したんだと思います。
ムカついてるパワーがあったら
生命維持に役立てたいと(笑)

子どもは一人立ちさせるために育てていると
頭でも心でも納得していても
こちらを振り返りもせず
走り去るように親から離れていく姿は
うれしいけれどやっぱり淋しいよね。

それでもやっぱり子どもの顔をみるたびに
『早く自立しろ~!』
『母は早くせいせいしたいんだ』と言い続け。。。
親が淋しがっているなんて絶対に子どもに悟らせないのが
きっと親がしてあげられる最後のお仕事だよね^^
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by nyanko4116 | 2010-08-04 18:15 | 読書日記 | Comments(4)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ
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