読書日記No.101

f0065768_17234728.jpg

大阪大遠征(※)から帰ったぴよちゃんのお土産 『面白い恋人』
(なかなかウマシ)

(※注)
この場合の大遠征とは
ジャイアンツ戦を見るためだけに、往復長距離バスで夜中に移動し
最安ビジネスホテルを探し出し宿泊する旅のことである。
(なお、小遠征は最安ビジネスホテルが ネットカフェになる)








ジャイアンツ、四連覇の夢がとうとう途絶えてしまいました。
最後にきて、相当ショボイ試合が続いていたので
なんだか 悔しさを CSシリーズでリベンジ!・・・って気分にもなれないし。

家族はTVに向かって放送禁止用語を連発する母の姿を
これでしばらく見なくてすむので、
なんだかホッとしているみたいです。
(迷惑かけたね)




さ、今年のペナントレースは なかったことにして(これが一番)
本日の読書日記です♪


1作目・・・山本 幸久 作 『愛は苦手』
f0065768_1272284.jpg

『愛は苦手』。。。う~む、なんという味わい深いお言葉。
恋愛上手とか恋愛ベタとか言う言葉はよく聞くけれど、
その一歩先、恋愛成就後に待っている夫婦愛だとか親子愛と呼ばれるものが
どうにうもヘタな人たちの、8つの短い物語です。

だいたい夫婦の間で、
毎日毎日好きだの愛してるだの口に出し
キスやハグを歯磨きや手洗いのごとくサラりと行う欧米人に比べ
『んなとこ、恥ずかしくてできるかよ!』 が、平均的日本人像。
だけど口や態度には出さなくたって
心の中には不器用な愛がちゃんと詰まっている(ハズ)なのです。

どんなに不器用だって格好悪くたって
愛は愛。
箸にも棒にもかからないとい思っていた反抗期の娘が
誕生日にくれたささやかなプレゼント。
狭いアパートで同居することになった舅がみせる
素朴で温かい優しさ。
手入れが面倒なだけだと思っていた新居の庭が運んできた
思いがけない出会い。
どのお話も、
あきらめたり投げ出したりしたくなったりしたときに
チラリと顔をのぞかせる近くにいる人からの愛が
主人公も、そして読んでいるこちらの心も温めてくれるのでした。









2作目・・・酒井 順j子 作 『ズルい言葉』
f0065768_132949.jpg

『コラーゲンたっぷりですよ』と言われたら・・・
『わぁ!お肌ぷるぷる~』と答える。

『私、もう○○歳なんです』と言われたら・・・
『え~! 見えな~い』と、驚いて見せる。

他にも、
温泉に入ったら⇒『身体が芯からあったまる~』
カニを食べたら⇒『みんな無口になるよね~』という定型文が存在する。

別にそれが悪いというわけではないけれど、
紋切り型の定型文を口に出されると
ちょっとイラッとするという作者の気持ちもなんとなくわかる。
『下町の商店街のコロッケは食べる前から人情の味がする』し
かやぶき屋根の民家は『どこか懐かしい』ものと相場が決まっている。
そんな風に自分の心で感じているものが何なのかをよく確認もせずに
ありきたりの決まった言葉を口にしてしまうことで
考えたり感じたりすることを放棄してしまっているんじゃなかろうか。

お酒を飲んで⇒『飲みやす~い!』

。。。なんだかどれもこれも、
身に覚えがあることばかりなのだった。
反省。








3冊目・・・辻村 深月 作 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
f0065768_2129361.jpg

この物語は 女友だちとの友情、
そして母と娘の関係という
この世で最もたやすくドロドロ化しやすい二つの関係を軸に進んでいきます。

地方に住む二十歳をとうに過ぎた女たちは
グループの中のちっぽけな人間関係
(『誰を結婚式に呼ばなかった』とか『私の方があの人より上』とか・・・) ばかりに気をとられ
嫉妬と劣等感を抱えながら仲良しごっこに余念がないという
読んでいて息苦しくなるような閉塞感の中で日々を送っています。

一度はそんな自分の故郷や友人を疎ましく思い
離れようとしていた主人公でしたが
身近で起きた殺人事件をきっかけに
もう一度故郷の友人だちを、そして自分を、
また眼をそむけていた母との関係を見直していくことになるのです。

虐待スレスレという環境で育った娘は、ハッキリと母親を拒むことで
自分らしく生きる人生を手に入れ
愛情に包まれて育った娘は
結局親の愛(特に母親)にからめとられてしまい
自分の思う人生をいきられないという設定が
ものすごく印象的でした。

やっぱり子育てで大事なのは
子どもの人生をコントロールしようとしない、
子どもの人生を邪魔しないってことなんでしょうね。









4冊目・・・朱川 湊人 『銀河に口笛』
f0065768_16514111.jpg

これはもう、たまらんです。
読み始めたとたん
胸が締め付けられるようなノスタルジーに襲われ、
子ども時代を過ごした昭和40年代に
一気にタイムワープしていました。

小学校三年生の主人公のクラスに転校生としてやってきたリンダ。
ちょっと大人びて神秘的な彼は
まるで風の又三郎のように
またすぐに転校して主人公たちの前から姿を消してしまいます。

又三郎は風にのってやってきたけれど
リンダが乗ってきたのはなんとUFO。
そんなところからファンタジー色が強い話ではありますが、
短い間にリンダと少年たちが過ごす濃密な時間は
今思えば一日の中に永遠の時間が詰まっているようにも思えた
子ども時代の思い出そのものなのです。

楽しいことばかりではなく
悲しいことも、自分の力ではどうしようもできない理不尽なことにも出会う
主人公たちの姿を追っているうちに
胸が締め付けられるようなノスタルジーというのは
子どもゆえに無力だった自分にまた出会うことで
生まれて来る感情なのかもしれないなぁと思ったのでした。










5冊目・・・角田 光代 作 『私たちには物語がある』
f0065768_21303568.jpg

作者の角田さんによれば、
これは書評ではなく 感想文集なんだそうです。

今までに角田さんが読んで面白かったという本が
本への愛情をたっぷり込めて紹介されています。
私が最も好きな小説家の一人である彼女ですが
彼女が一押しで面白いと紹介している本が
私があまりのつまらなさに 途中でポイしてしまった本だったり、
同じように面白いと感じた本でも
その面白いと感じたポイントがまったく違うところだったり。。。

全く同じ文章を読んでも受け取り方は人それぞれで、
同じ人が同じ本を読んだって
その時の環境や読む年齢によって まったく違う受け止められ方をするんですよね。

そう考えると、この世につまらない本なんてないのかもしれない。
私も角田さんを見習って、これからは
『この本つまらない!』と感じた時でも
『私の方に受け入れるキャパが足りなかったんだ』 と
真摯に受け止めるようにしよう。

・・・やっぱ、ちょっと無理だな。










6作目・・・奥田英朗 作 『無理』
f0065768_1301283.jpg

小説の舞台になるのは日本のどこにでもありそうな地方の小都市、『ゆめの市』。
駅前の商店街はシャッター通りとなり、
国道沿いには、パチンコ屋やの看板ばかりが目立つ。
郊外にできた大型スーパーのせいで
昔ながらの商店は次々と姿を消し、車がなければ生活できなくなってしまった街で
お年寄りは買物一つできなくなっている。

若者は高校卒業後、地元に残ってヤンキーになるか
少しでも勉強ができるものは何とか大学に合格してこの街を出るか。
この場所でで夢や希望を語るのはどこをひっくり返しても『無理』なのだ。

最初に『どこにでもありそうな・・・』と書いたけれど
本当に地方の小都市がどこもかしこもこんな状態だったら
そこに住んでいる人たちはどうしたらいいんだろうか。

仕事もお金も大都市に集中してしまっている今の日本の構造上
地方都市が昔の活気を取り戻すのは『無理』だし
そんな場所で活き活きと生活しろというのはもっと『無理』
来る日も来る日もどんよりとした空の下
閉塞感でつぶされそうになりながら生きている主人公たちが辿る運命から
目が離せなくなるのです。
500ページ、一気に読めますよ。
おすすめ。
Commented by のんのんママ at 2010-09-30 22:46 x
「ゼロ・ハチ・ゼロ・ナナ」 読みたかったんだ♪
新聞の下刷りに載ってて、興味あったんだった。
これ、またリクエストしてこよう~。
「無理」 ずいぶん前に読みました♪
おもしろかった記憶があるんだけど、内容がはっきり
思い出せず(笑)
最近こういう事が多いわ・・・怖い・・
そうそう、何カ月も待った、東野圭吾さんの「プラチナデータ」
やっと来て、読み終わりました。
でもね、でもでも、イマイチでした(泣)
あのワクワクするような高揚感もなく、
東野さんの作品で途中で読むペースが落ちたのは
この本が初めてでした~~(大泣)
これはきっと<私の方に受け入れるキャバが足りなかった>んだろうか・・・
たまには真摯な気持ちになって・・・(笑)

「面白い恋人」(爆)
やっぱ大阪やわぁ~!!(爆)
大阪ってこういうとこです!
Commented by nyanko4116 at 2010-10-01 19:18
>のんのんママさま
ぴよちゃんによると、ジャイアンツのユニを着て歩いてるだけで、
『お!ジャイアンツファン?』とか色々知らない人が話しかけてくれたんだそうです。
明らかに東京よりコミニュケーション能力が高い大阪、
いいですねぇ~♪

「面白い恋人」、裏を見たら発売元に『吉本興業』と書いてありました(笑)
さすがです。

あぁ・・・『プラチナデータ』ダメでしたか~||(_ _。)ガックシ||
角田さんは、読んでつまらないと思う本は
めったにないそうです。
『なんじゃこりゃ~!』と、しょっちゅう本がつまらないと言っては
いちゃもんをつけているワタシは
やはり相当器のちっちゃいヤツのようです( ̄∇ ̄*)ゞヘヘ
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by nyanko4116 | 2010-09-30 18:07 | 読書日記 | Comments(2)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ
プロフィールを見る