読書日記No.66

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   『炎天の 地上花あり 百日紅    高浜虚子』






いつもの公園。
9月になってもサルスベリ(百日紅)が鮮やかなピンクの花を咲かせています。
名前のとおり百日くらい咲き続けるんでしょうか。
あ・・・でも千日紅(センニチコウ)は千日も咲かないから違うか。
トップの写真にちっこく写っているのはろくチンです。



では、本日の読書日記です。
またまた色んな本読みましたよん♪

1冊目・・・奥田英朗 作 『家日和』
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『家』がテーマの短編が6つ。
気楽に読める面白話がそろいました。
毎日になんとなく退屈を感じていた主婦が、
ネットオークションにはまってしまい
家中の不用品(ときには必要品)を売りまくっていく話『サニーディ』。
妻との別居を機会に、インテリアに目覚めた夫が
大型ハイビジョンTVやマニアックなオーディオセット、
大好きな漫画でいっぱいの本棚などで自分の城を築いていくお話『家においでよ』などなど。
中でもこの『家においでよ』が、なかなか胸にチクチクと刺さるものがありました。
夫の趣味でいっぱいになった家は
夫本人だけでなく会社の同僚にまで『理想の隠れ家』として男たちのたまり場となります。
『家は自分の好きな物ひとつおけない』
『けっきょく家は女房のもの・・・』
と愚痴るサラリーマンたち。
自分で稼いだお金で建てた家を妻に乗っ取られた夫達のボヤキが聞こえてきて
そのたびにワタシもヒヤリ。
我が家を見渡せば、どこまでもワタシの好みで購入したものばかり。
家のカビゴンパパはホントの所どう思っているんだろうか?
まぁ、無造作に書類や衣類が積み重なっただけという
カビゴンパパのやる気のない書斎コーナーを見る限り
あんまりそのへんの心配はなさそうだが。。。
念の為一度確認しておくか。



2冊目・・・ 佐々木ゆり(文)三島正(写真) 『障害犬タローの毎日』
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おりこうにフセをしているこのワンちゃん。
よく見ると足がありません。
捨て犬だったこの太郎は難病により4本の足全てと耳のほとんどを失ってしまいます。
それでも写真家の三島さんが撮った太郎の表情は
どれもが愛らしく健気で思わず写真に『イイコイイコ』したくなるようなものばかりです。
自分の運命を恨むでも嘆くでもなく
毎日自分のできることをただ一生懸命やって過ごしていく太郎は
やがて周りの人の価値観をどんどん変えていきます。
現在の飼い主である動物病院院長の
『病院を大きくする事ばかり考えていた私が太郎と出会うことで生き方が変わった』
という正直な告白は胸を打つものがありました。
人間が動物達から教えてもらうことって
本当にたくさんありますよね。


3冊目・・・重松清 作 『カシオペアの丘で 上・下』
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新聞に連載されていた小説ということもあるのでしょうが
とにかく長いです。
文章のうまい重松さんならこの内容を短編にまとめ上げることなど
オチャノコサイサイのはず。
ストーリーも奇抜な展開があるわけでもなく
最初に予想したとおりに話が進んでいきます。
テーマは『許す事』と『許される事』
主人公達は40歳前後。
一生懸命この歳まで生きていれば、
『人を許せないこと』も『自分を許せないこと』もみんな色々あったはず。
主人公それぞれが抱える『許して欲しい事』や『許したいけど許せない』ことを
長いストーリーの中で擬似体験していくうちに
自分の考え方や感じ方も主人公たちと共に変化していき
最後は自分も確かにその仲間の一員であったような気分を味わえました。
これは短編にはない長編ならではの感覚ではないかなぁ。
途中ちょっと飽きちゃったりするけど
なかなか味わい深い一冊(正確には二冊)でした。



4冊目・・・角田光代 作 『八日目の蝉』
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面白かったです。
今回の中ではイチオシかも。
不倫相手の子(まだ赤ちゃん)を誘拐し、逃亡を続けた若い女。
女はその子を、生まれてくることの出来なかった
かつて自分のお腹に宿った命の代わりに
大切に大切に育てます。
前半は誘拐した女の視線で日々が語られ
後半は誘拐された女の子が成長した後に自らの日々を振り返る構成になっています。
先週、見事第2回中央公論文芸賞を受賞した作品です。
おすすめ。



5冊目・・・杉山 春 著 『ネグレクト 育児放棄―真奈ちゃんはなぜ死んだか 』
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児童虐待といえば子どもを殴ったり蹴ったりといった身体的迫害をまず思い浮かべるけれども
2000年に名古屋で起きたこの児童虐待は
ネグレストと言われるものでした。
子どもに満足に食事を与えない、風呂に入れない、病気になっても病院に連れて行かないなど
身体に怪我が残ったりするような虐待ではないため、
発見が遅れることがしばしばあるそうです。
3歳になったばかりの真奈ちゃんは
日のあたらない狭い部屋におかれたダンボール箱の中に20日間近くも閉じ込められ
ミイラのようになって餓死していました。
両親は当時21歳。
ニュース番組でチラリと写った姿に向かって
思わず『鬼!』と叫んだ記憶があります。
3年間に渡る丁寧な取材に基づいたルポルタージュは
この事件の背景を詳細にあぶりだしていました。
真奈ちゃんを虐待して死なせた母自身もまた幼い頃親から虐待を受けていました。
そしてその母の母もまた同じような虐待をうけて育っていたのです。
子どもが可愛いと思う気持ちは誰もが生まれつき持っているものではないのでしょうか。
愛されて育った経験のない人間は、自分の命も他人の命も大切にすることができないのだという事実を前にしたとき、
著者は、この両親を単なる異常な犯罪者として裁くことに疑問を呈します。
『児童虐待は誰にでも起こりうる』のだという現状。
そんなばかな。そんなはずはない。
読み終わってしばらくたちますが、この本私の中でまだ未消化です。
ちょっと勇気がいりますが、興味のある方はぜひ読んで見て下さい。



6冊目・・・池澤夏樹 作 『南の島のティオ』
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夏にぴったりの一冊でした。
太平洋上に浮かぶティオの住む島では
子どもが突然神隠しに会ったり、不思議な予言をするお婆さんが住んでいたりと
まだまだ神様の存在をみんなが身近に感じて暮らしています。
中でも私の心を捉えたのが、
『その葉書を受け取った人は必ずこの島を訪れたくなる』という絵葉書!
私のところにもティオから絵葉書が届けばいいのに。
そうしたら絶対遊びに行くのに。
よ~し、ミクロネシアのポナペ島、ヘソクリためていつか遊びに行くぞ。
・・・って、あれ?。。。こんな感じ前にもどこかで。
それもかなり昔・・・・。
本を読んで『大人になったらこの南の島に絶対行くんだ!!』って。。。

(・・・・・しばし中断・・・・・・)

思い出した!森村桂の『天国に一番近い島』だ!
小学校の確か3年生頃、この本にはまって
密かに『ニューカレドニア貯金』してたんだっけ。
(思い出す、亜土ちゃんの絵のついた貯金箱・・・)
あれからはや幾年。
あまり中身は成長していないらしい。
(もちろんニューカレドニアにも行っていません)
Commented by ma-ko at 2007-09-04 17:41 x
なかなか読書の時間がなくて・・読みたい本いっぱいあるんだけどな。。。
Commented by のんこ at 2007-09-04 22:11 x
おおー!
懐かしい「天国に一番近い島」!
ニューカレドニア、密かに新婚旅行先に決めていた頃が
私にもありました(確か小学生くらいだったか・・・?)
しかし、その数十年後(!?)
新婚旅行さきはニューカレドニアではなく、
パラオ島というところになりましたが(似てないこともない?)。
夢が持てる本っていいですよね。
私の目下の夢は、
にゃんこさんがブログで勧めてくれた本を
全て完読することです(ちいさっ!)
Commented by のんのんママ at 2007-09-04 23:16 x
またまたたくさん読みましたね~~。
今回もどれも読んだことなかったなぁ。
家日和・・私もドキっとしちゃったよ!
今、ぐるっと部屋を見渡しても、パパの物ってほとんどないよっ。
けどどこのお家もそんなもんでしょう(笑)
太郎君、なんかじ~~んときちゃった・・・
病院の「先生、いい人でよかった。
ホント、動物の力ってすごいものがある!生に対して一生懸命だもんね。
児童虐待!これはぜーーったい許せない!!
今の法律は甘いわっ!
読んでみたいけど、読んだあとの自分が怖い~。
冷静でいられるかどうかが・・怖い・・・
で、私もずーーっと行きたくて行けてない島ありますよ~。
赤毛のアンを読んで、プリンスエドワード島に行きたくて~~~♪
テラスの白い椅子に座って、チェリー酒を飲んでみたいわ~~~♪
Commented by 穂波 at 2007-09-05 00:02 x
お久しぶりです♪
天国に一番近い島、私も母が学生時代に読んでいたのを譲り受けて読んだ記憶があります。
今はもう禁止用語になってしまった言葉も書いてありましたが(笑)、とってもほのぼのしたお話で幼いながらに南の島に憧れた記憶が・・・
南の島のティオも読んでみようと思いました♪
Commented by nyanko4116 at 2007-09-05 14:32
>ma-koさま
大丈夫!
本は逃げたりしません。
いつかゆっくり読める日のために
せっせと読みたい本リストを作って楽しみましょう♪
Commented by nyanko4116 at 2007-09-05 14:38
>のんこさま
え~すごいじゃない!
新婚旅行ちゃんと南の島に行ったんだねぇ。
(夢がかなった?!)
この本を読んだ頃は、回りに海外に行った事ある人はあんまりいなくて
海外旅行っていうのが本当に夢のまた夢って感じだったんだよね。。。
なつかしいです。
おっきくてもちっちゃくても、夢があるっていいですよね。
大人になっても、いくつになっても♥o(^-^)o
Commented by nyanko4116 at 2007-09-05 14:49
>のんのんママさま
そう!プリンスエドワード島!
グリーンゲイブルス!!
死ぬまでに絶対に訪れたいところの一つです。
(みっちょさんもアンの世界の人なのね!)
ネグレストの本は読んでいて正直しんどかったです。
何度読むのを止めようと思ったことか。。。
これが本当にあった話だということが本当に怖いです。
家日和・・・みっちょさんちもやっぱりそうですか?
家もパパが口出ししないのをいいことに、“にゃんこの園”状態になっています。
それでいいんだよね~(笑)夫婦円満なら!
Commented by nyanko4116 at 2007-09-05 15:02
>穂波さま
お久しぶりです( ´ー`)♪
『天国に・・・』穂波ちゃんも読んでたんですね(守備範囲広っ!)
すごく昔の本だから、今読んだらちょっと違った印象を受けるかもしれませんねぇ。
へぇ!禁止用語とかあったんですか:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
そうよねぇ。。。私が小学生の頃って国語の教科書に
ふつうに『ちびくろサンボ』とかのってたし。
『南の島のティオ』は児童書(たぶん)ですが
年齢不問でオススメです♪
Commented by ちょび姉ちゃん at 2007-09-06 23:38 x
本たくさん読んでますね~
障害犬タローは知ってます!!読んだことはないけど。
足がないなんてかわいそうすぎ・・・
でも幸せそうなタロー。
本を読んだらきっと泣くな・・・
Commented by nyanko4116 at 2007-09-07 12:42
>ちょび姉ちゃんさま
タロー君今は飼い主と一緒に小学校などを回って
命の大切さを講演して回っているそうですよ。
実際に目の前でタロー君の姿を見たら
きっと色んなことを感じるでしょうね。
本の内容はお涙頂戴の感傷的なものではなく
淡々とタロー君の日々を紹介しているだけなのですが、
写真を見ているとたまらなくなって涙・涙です。
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by nyanko4116 | 2007-09-03 19:15 | 読書日記 | Comments(10)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ
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